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フォレックス・ディーラー物語 |
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Forex Dealer Stories |
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ブラック・マンデー |
Black Monday |
No.22 |
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「・・・・・。
梅田、もう少し『出そう』。」
「えっ?
・・・・・。」
「今日のワン・イヤーっていくらだよ?」
「ナイン・アンド・ハーフ(9and1/2%)ですけど。」
「そうか。 じゃあ、それ、『出せよ』。」
「田辺さん。 俺、セブン・アンド・ハーフ(7and1/2%)から2パーセント『出し上がった』んですよ。」
俺は思わず、むっとしていた。
【田辺課長、わかってるのかな・・・・・。
俺は、どうしようかと思って、相談してるんだけど・・・・・】
「うん。 梅田。
『出せよ』。」
「・・・・・。」
「梅田なっ、ブローカーさんの電話のボタンを押して『ユアーズ』って言えばいいんだよ。」
【俺だって、そんなことぐらい知ってるよ! 田辺さん、俺のことバカにしてんのか!】
カチンと来て、心の中でそう叫んでいた。
口に出して、そうは言えないものだから、怒って、ブスッとしながら、
「俺には出来ません!」
そう答えた。
「なんだ。 おまえ、出来ないの? じゃあ、俺がやってやるよ。」
田辺課長はそういって、喫煙室を出て、ディーリング・ルームへ入って行った。
俺は腹が立っていたものだから、田辺課長の後を追いかけずに、喫煙室に残っていた。喫煙室から、喫煙室のドアのガラスとディーリング・ルームの大きなガラス越しに、中の様子が見える。
ディーリング・ルームへ入って行った田辺課長は、スタスタと歩いて、俺のディーリング・ボードに座った。
右にはアシスタントのアン・リーが、左側にはエイドリアンが座っている。
座ってから、田辺課長は、「消しゴム付きの鉛筆」を右手に持った。
左手には、「受話器」を持っている。
鉛筆の消しゴムの方を先にして、「鉛筆」でブローカーの電話のボタンを押している。
押しながら、何か叫んでいる様子だが、喫煙室にいては、何を言っているのか、もちろん、聞こえない。
今度は、立ち上がって、左手の受話器を胸にして、「消しゴム付きの鉛筆」を右手に高々と揚げて、グルグルとまわした。
俺は、【なにをやってるんだろう?】と思いながら、ゆっくりと喫煙室を出て、ディーリング・ルームのガラスの扉を開けた。
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