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フォレックス・ディーラー物語 |
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Forex Dealer Stories |
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ブラック・マンデー |
Black Monday |
No.10 |
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「ハハハハ。 お前もうまいねぇ。」
田辺課長が嬉しそうに話を続けた。
「それからな、『為替』には『公定歩合』や『ディスカウント・レート』に相当するものはないってことなんだ。
金利の場合は『ディスカウント・レート』よりも低ければ、『これはおかしい』。特殊な需給で歪んでいるだなってすぐに判断できる。
単発的にそういうことがあっても、長続きはしない。
長続きするようならば、『ディスカウント・レート』を下げることになる。
だけど、『為替』にはそういった『メルクマール』(ドイツ語Merkmal, 指標)
になるものが無いってことだな。
『為替』は不特定多数の市場参加者が、マーケットで売ったり買ったりして、需給を調節して、最終的に均衡するレートがいくらだって、決まるわけだろ。
そこには、いろんな人達の思惑(おもわく)やら、願望やら、雑多な想いが込められているのさ。
この不特定多数の行動を読む方が難しいんだよ。
ロジックがないだろ。
『何だか良く分からないけれど、売っちゃえ!』とか、『買っちゃえ!』って、でかい金額がマーケットに出て来ちゃうと、それが流れになってしまうこともある。
極端な話、『為替』の場合、今日は1ドル150円だけど、明日は100円でも良い訳だ。
だけど、金利はそういう訳にいかない。
金利の場合は『公定歩合』や『ディスカウント・レート』を決める、権限のある一握りの人間が、どう考えるか、それから、それがどの程度なのかを考えれば、おのずと読めるわけだ。」
中嶋さんはニコニコしながら黙って「焼酎のお湯割、梅干入り」を飲んでいた。
「おはようございます! グッド・モーニング!」
「グッド・モーニング、マット!」
アシスタントのエイドリアンが答えた。
「おはよう・・・・・。 梅田、昨日はご苦労さん。」
田辺課長の声が二日酔い気味だ。
「昨日はありがとうございました。
あれから、どうなさったんですか?」
「いやあ・・・・・。 中嶋とピアノ・バーに行ったんだけど・・・・・。
ちょっと飲みすぎた。」
「田辺さん、だいぶ、ご機嫌でしたからねぇ。」
「どうやって、帰ったか、よく覚えてないんだ・・・・・。
あとで、もう少し酒が抜けたら、ミーティングやろうな。」
「はい。」
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