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フォレックス・ディーラー物語
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Forex Dealer Stories
「小早川」 No.14

 「人が、誰かに相談するときって、その人がどう答えるのか、だいたいわかってるんだよ。
 相談する相手を選んでいるからね。
 わかった上で、そう言ってもらいたいんだよな。」

 「・・・・・。」

 「目の前に、崖があって、それを飛び越えないと、向こう側へ行けない。
 『飛べるだろうか?』
 不安なんだよ。
 だから、誰かに、『飛べるよ』って言ってほしいんだ。」

 「・・・・・。」

 「この会社辞めて、オリンピックに挑戦しろよ。
 仮に、失敗しても、やるだけ、やったら、悔いが残らないだろう?
 このまま、ここに残って、仕事を続けても、『ああ、あの時、どうして挑戦しなかったんだろう』って、後で必ず悔やむことになるぜ。」

 「・・・・・。」

 「オリンピックだぜぇ・・・・・。
 普通の人は、出たくたって出られないんだ。
 オリンピックかぁ・・・・・。 すごいなぁ・・・・・。
 何の種目でもいいから、俺も出たいなぁ・・・・・。
 まだ、次のオリンピックまで、時間はあるんだろう?」

 「はい。 次は1992年です。」

 「俺、陰ながら応援するよ。 小早川がオリンピックに出場できるように。
 選手に選ばれれば、新聞に発表になるんだろう?」

 「はい・・・・・。」

 「その頃になったら、新聞を良く見て、小早川の名前を探すよ。」




 小早川は、翌週に退社の手続きを取って、すぐに京都に行ってしまった。
 普通は辞める際に、2ヶ月ほど引継ぎやら何やらの期間があるのだが、小早川の場合は、人事部も特別な計らいをしたようだ。
 時間が取れないので、送別会もなかった。
 小早川が、今日で終わりという日に、俺のところへ来て、一言か二言かの挨拶をしていった。



 1991年ごろから、俺は、新聞のスポーツ欄を注意深く読むようにしていた。特にオリンピック選手の選考とか、ボート関連のニュースには気を付けていたのだが、1992年のオリンピックが終わるまで、小早川の名前は新聞に載らなかった。


 代表選手に選ばれれば、きっと俺にも連絡をしてくれたのだろう。
 残念ながら、連絡は無かった。



 でも、きっと小早川は後悔していない、と俺は信じている。



 どうしているのかなぁ・・・・・。 元気かなぁ? 今は何をしているんだろう?






 『小早川』くん、このホームページに気が付いたら、メールでも送ってくれよ。



《了》





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