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 ファースト・ディール
 The First Deal  No.1


 1984年 10月


 四階にある本店人事部に寄って人事部の担当者に挨拶をしてから、七階でエレベーターを降りた。

 何日か前に人事部から、国際本部・為替資金部に連絡を入れてもらった。
 だから、今日から赴任する、と伝えてあるはずだ。

 エレベーター・ホールのすぐ横に、国際本部・為替資金部の小さい表示があって、灰色のドアが開いている。
 軽く会釈をしながら、ドアをくぐった。

 ピンク色の制服を着た若い女の子が気付いて、立ち上がって小走りに近づいてきた。
 「いらっしゃいませ。」
 お客様だと思ったらしい。

 「いや・・・。
 今日から赴任になりました梅田ですけど。
 加藤課長はどちらですか?」

 「あっ、そうですか。
 加藤課長はディーリング・ルームです。
 こちらです。どうぞ。」

 内部に狭い廊下があって、その先に大きなガラス張りの部屋があった。オフィスの中にガラスの部屋を作ってあるようだ。なんだか「茶の湯」を思い出した。
 その部屋の中に案内された。

 このガラスの部屋を『ディーリング・ルーム』と言うらしい。
 『グラス・ルーム』とか、『クリスタル・ルーム』と言ってもよさそうな気がした。

 加藤課長は、その部屋に入ってすぐの机に座っていた。


 「加藤課長、配属になりました梅田です。
 よろしくお願いします。」

 「ああ。加藤です。
 君が梅田君か。がんばってくださいね。
 じゃあ、とりあえず、チーフ・ディーラーの平井を紹介しようかな?」

 「はい。お願いします。」

 「お〜い!平井く〜ん!」

 「は〜い!
 何でしょうかぁ?」

 「ちょっといいかぁ〜?」

 「はい〜!」

 ディーリング・ルームの一番奥で、立ち上がって、ウチワをパタパタとしている人が振り向いて大きな声で答えた。
 ゆっくりと、こっちにやって来る。

 「はい、何か?」

 「今度配属になった梅田君だ。
 平井のところで見てもらうから。」

 「あっ、そうですか。
 シライです。
 よろしくネ。」

 「はい。梅田です。
 よろしくお願いします。」

 「じゃあ、ボクの席に来てもらおうか。
 この仕事はねぇ、席を離れられないんだよ。」

 「はい。」

 そう言って、先に歩き出した。


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 「こっちが、梅田君ネ。
 そんで、こっちが青山君。
 梅田君の方が年上だったかな・・・。
 青山はここに来て何ヶ月経った?」

 「五ヶ月です。もうすぐ半年になります。」

 「そっか。じゃあ、もう、だいたいのことはわかるな。
 まあ、梅田君のほうが先輩だけど、青山君が仕事を教える、と。
 そういうことで。」

 「はい。よろしくお願いします。」

 「今日はまだ着たばっかりで、わからないだろうから、ボクの横にいて見てなさい。」

 「はい。ここは何をしてるんですか?」

 「あぁ、そのうちわかるよ。
 わからないことがあったら、青山に聞いて。」

 「はい・・・。」

 わからないことだらけなのだが、何を質問すれば良いのかもわからない・・・。
 まあ、なんとかなるかぁ・・・。


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第7話 ファースト・ディール
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