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外国為替の基本と
カラクリがよ〜くわかる本

外国為替の基本とカラクリがよ〜くわかる本


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フォレックス・ディーラー物語
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Forex Dealer Stories


ブラック・マンデー
Black Monday   No.13

 ワン・イヤー(1年の『デポ取引』)が、セブン・アンド・ハーフ
(7 and 1/2)になったら出し始める予定だから、まだ、何もすることはない。

 でも、徐々に『出す』レートが近づいてきている。


 このペースで上昇するようだと、ワン・イヤー取引で、セブン・アンド・ハーフ(7 and 1/2)が出会うのは来週あたりになりそうだ。

 セブン・アンド・ハーフ(7 and 1/2)から、十六分の一刻みで、500本づつ『出し上がる』予定なのだ。

 1本は百万ドルだから、500本は5億ドルだ。

 気を抜くわけにはいかない。

 いい加減な気持ちで、油断していると事故が起こる。

 こういった、大きい金額の取引での間違いは、実損も大きい。


ライン

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 翌週になり、「ワン・イヤー・デポ(1year Deposit)」は、いよいよセブン・アンド・ハーフ(7 and 1/2, 7.5%)がオファーになった。

 ビッドはスリー・エイス(7 and 3/8%, 7.375%)だ。

 通常、「デポ・マーケット」で金利レートを言うときは、為替取引と同じようにビッグ・フィギュア(大台のレート)を省略することが多い。

 この場合ならば、『セブン(7%)』は言わなくても当然わかっている事柄だからだ。

 だから、ブローカーから金利のプライスを伝えて来る時は、

 「スリー・エイス、トゥ、ハーフ」
 (Three Eighth to Half)
 (3/8 to 1/2)

 ということだ。

 俺は、マーケットオファーに並んで参加した。

 「ジョイン・ジ・オファーアト・ハーフ!」
 (Join the offer at half!)

 そうタレットブローカーに伝えた。

 「デポ・マーケット」では、タレットは中堅のブローカーだ。

 タレットのラッセルが訊き返した。

 「ハウ・メニー?
 (How many ?)

 「エニィ・アマウント。」
 (Any amount.)

 まさか、500本、いっぺんに『取って』くる相手はいないだろう。

 いくらでも『出すよ』といったニュアンスだ。

 それから、資金を『取る』ということは、要は『お金を借りる』ことだ。

 お金には、特別な色がついていたり、名前が書いてあるわけじゃあないから、『取る』ときは、誰から『借りて来ても良い』。借りる側から見れば、相手は誰でも良いということだ。

 ところが、反対取引の『出す』場合は、「クレジット・ライン(Credit Line)」を調べなければならない。

 よく考えれば、当たり前なのだが、誰に『貸しても良いわけではない』。

 世界中には、星の数ほど銀行がある。

 審査をするセクションが、いろいろな銀行を事前に審査して、『出して良い銀行』と『出してはいけない銀行』に分別している。

 なおかつ、『出して良い銀行』でも、『出せる金額』に上限がある。

 これが「クレジット・ライン(Credit Line)」だ。

 「クレジット・リミット(Credit Limit)」とか「枠(わく)」とか呼ぶこともある。

 銀行間取引であっても、どこそこの銀行には『出せない』とか、『いくらまで出せる』とかを、調べて取引の相手に伝える必要があるのだ。

 そういう訳で、誰かが「500本、全部『取る』」と言ってきても、「クレジット・ライン(Credit Line)」の範囲内までしか、こちらは『出せない』。

 だから、「デポ取引」の場合は、「クレジット・ライン(Credit Line)」を調べる間、相手を待たせることになる。すぐに「ダン(Done)」になるわけではない。

 言い方は、「為替取引」とほとんど変わらない。

 ブローカーの持っているプライスに対して、資金を『取る』場合には「マイン(Mine)」、資金を『出す』場合は「ユアーズ(Yours)」と言う。

 資金を『出す』側が、

 「チェッキング・ザ・ライン」
 (Checking the line.)

 と言って、「クレジット・ライン(Credit Line)」を調べる。

 取引できるアマウント(金額)が相手方に伝えられて、「ダン(Done)」になるわけだ。



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