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 ファースト・ディール
 The First Deal  No.4

 平井さんは、青山君が次々と電話を取って、叫んでいるのを黙って聞いている。

 ふーん・・・。平井さんは電話を取らないんだ・・・。


 二人の様子を窺っていると、後ろから大きな叫び声があった。

 「ドル円、3本!」

 平井さんが、振り向いて、大声で直ぐに答えた。

 「ニマル・サンマル!」

 後ろから、また大声で、

 「サンマル!」

 と、もう一度叫んだ。

 「オーケー!」

 平井さんが言った。

 そして、直ぐに自分でボタンを押して話し出した。

 「もし!
 今いくら?
 あっそー!
 んじゃぁ、ニーゴーの買い3本見て。」

 左を向いて、青山君に言った。

 「『コバヤシ』にニーゴーの買い3本入れたからネ。」

 「はい!」

 青山君が真剣に答えた。


 何だか、緊迫感がある。

 また、ボタンが光った。

 光ると同時に、右手で青山君がそのボタンを受話器で押して、そのままその受話器を右の耳に当てた。器用なものだ。

 「はいはい!ニーゴーですね?
 はい。3本 ダン!」

 電話を切ってから、青山君が平井さんに報告した。

 「ニーゴー、3本 ダンです!」


 『ダン』って、何だろう?

 訊きたいのだけれど、雰囲気が張り詰めていて、訊き難い・・・。

 後にした方が良さそうだな。

 忘れないように、また、手帳に、『ダン』とメモをした。


 平井さんが、青山君に話した。

 「買えて良かったな。
 このまま上がっちゃうかな、とも思ったんだけど。
 サンマルがテイクンしていくようなら、すぐに追いかけて買うつもりだったんだ。」

 すると、デスク上の電話機材の左上の一列のボタンが、一斉に点滅した。
 青山君が、急いで一番左上のボタンを押した。


トウフォレ・スポット・ライン
ニッタン・スポット・ライン
ウエダ・スポット・ライン
ヤマネ・スポット・ライン
ハトリ・スポット・ライン
コバヤシ・スポット・ライン
マーシャル・スポット・ライン
トウフォレ・フォワード・ライン
ニッタン・フォワード・ライン
ウエダ・フォワード・ライン
ヤマネ・フォワード・ライン
ハトリ・フォワード・ライン
コバヤシ・フォワード・ライン
マーシャル・フォワード・ライン
トウフォレ・デポ・ライン
ニッタン・デポ・ライン
ウエダ・デポ・ライン
ヤマネ・デポ・ライン
ハトリ・デポ・ライン
コバヤシ・デポ・ライン
マーシャル・デポ・ライン
内線・外線ライン
内線・外線ライン
内線・外線ライン
内線・外線ライン
内線・外線ライン
内線・外線ライン

転送
Clear
ディーリング・ボード


 「はい! サンマル・テイクン!」

 また、その次のボタンを押して、
 「サンマル・テイクン!」
 と叫んだ。

 今度は、平井さんもボタンを押して、電話をしている。

 「はいはい、サンマル・テイクンね。
 ん、ありがと。」

 平井さんは、電話を切ってから、
 「サンマル・テイクンですよぉ!」

 部屋全体に聞こえる程度の、少し大きな声で言った。


 「平井!
 強そうなの?」

 後ろから、声がした。

 「ああ。
 今日は、強そうだね。
 始まったばかりだけど、買い気だねぇ」

 「どこらへんが、買ってきてるのか、わかる?」

 「都銀系みたいだよ。
 『ナカネ』が不足気味だって、朝から言ってたなぁ。」

 「オーケー! サンキュー。」


 忙しそうにしているから、訊きにくいのだけれど、訊いておかないと、俺には、何を言っているのか、さっぱりわからない・・・。

 「ねぇ、青山君、『ナカネ』って何?」

 「いや、すいません。あとで・・・。」

 「・・・・・・。」


 また、手帳にカタカナで『ナカネ』とメモした。


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第7話 ファースト・ディール
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