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フォレックス・ディーラー物語 |
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Forex Dealer Stories |
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ファースト・ディール |
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The First Deal |
No.6 |
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「そっか。
じゃあ、『ダン』、は、どういう意味なの?」
「『ダン』は、『取引を決めた』とか、『取引がなされた』とか、って言う意味です。
英語の“do”の『完了形』の“done”のことです。」
「そぉかぁ・・・。
さっきから、いろんなとこで『ダン』って言ってるのは、取引を決めていたんだぁ。」
「そうですよ。
『ダン・イズ・ダン』( “Done is
done.” )っていう言葉があって、一度『ダン( “Done” )』って言ったら、もう、その取引を取り消せないんです。
ここの取引は、全部、言葉でやってるじゃないですか。
だから、確認の意味で、ちゃんと『ダン( “Done” )』って言うんですよ。」
「でも、『言った、言わない』で、揉める事もあるんじゃない?」
「ええ、ありますよ。
だから、ここの電話は、テープ・レコーダーで録音しているんですよ。
ほら、ここに、テープ・レコーダーがあるでしょ。」
青山君が机の右側の引き出しを引いた。
その引き出しはテープ・レコーダーを収めるために特別に作ってあるようだ。引き出しになってはいるが、収納する区分けが無い。テープ・レコーダーだけがきっちりと収まっている。
「あっ、ほんとだ。」
「あっ、いけね。今日もスイッチを入れてなかった。
ここと、ここの二ヶ所を押して・・・、録音と。
朝来たら、ちゃんと自分でスイッチ入れないといけないんですけど・・・。よく忘れるんですよ。」
「ふーん・・・。」
「ボク達のセクションは、『スポット』ですから、基本的に電話の相手は『ブローカー』さん達だけです。
『ブローカー』さんのところには、もっといい録音システムがありますから、まあ、忘れても大丈夫なんですけどね。
『カスタマー・セクション』は、お客さんとの取引です。だから、ちゃんと録音しておかないと、後でトラブルになったときに、証拠がなくて困るんですよ。気を付けた方がいいですよ。」
「・・・・・・?
『スポット』って?」
「為替の売買をするセクションです。自分で『ポジション』を持って売ったり買ったりするんです。
『カスタマー・ディーラー』は、お客さんの為替の売買を、ボク達『スポット・セクション』につなぐんです。」
平井さんが、口をはさんだ。
「青山、それじゃ、わかんないだろう。
『スポット取引』っていうのは、『直物為替(じきものかわせ)取引』のことだ。
この『スポット・セクション』でやっているのは、『インターバンク取引』と呼ばれるやつなんだ。
銀行間だけの取引だな。
テレビで、『今日の東京外国為替市場の終値は、いくらです』とか言ってるの、聞いたことがあるだろ?
あれをやってるんだよ、ここは。
自己勘定でドルを売ったり買ったりしているわけさ。
ドルを売ったり買ったりしているのは、それぞれの銀行で、その銀行間の取引をつないでいるのが『ブローカー』。
まあ、あせらずに、見ていれば、そのうちわかるよ。」
「はい。」
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