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フォレックス・ディーラー物語 |
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Forex Dealer Stories |
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ファースト・ディール |
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The First Deal |
No.11 |
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今度は、241円30銭が『買われた』ようだ。
平井さんが、説明してくれた。
「『ニマル』とか『ハチマル』っていうのは、『チャート・ポイント』になりやすいんだよ。
『チャート・ポイント』っていうのは、わかりやすく言うなら、『みんなが注目するレート』ってことかな。
ここが切れると、落っこちゃうとか、このレートを突き破ると、跳ね上がっちゃうっていうポイントなんだな。
だいたい、いつも『ニマル』とか『ハチマル』がそういったレートになる。
止まるとしたら、『ニマル』とか『ハチマル』アラウンドが壁になることが多い。」
俺は頷きながら聞いていた。
「梅田君は、ドルを買ったんだっけ?
コストは?」
「はい。241円35銭です。」
『コスト』の意味が良くわからなかったけれど、『買ったレート』を訊かれているのだろう。そう思って、そう答えた。
「あっそう。
もうちょっと、持ってなさい。
『ニマル』が切れなければ、『リグエル』から」
「『リグエル』?」
「『リグイ』って言うんだよ。」
平井さんが、机の上にあるメモ用紙に、『利食い』と書いてくれた。青山君よりは達筆だ。
「『利益』を『喰う』ということだろうねぇ。
『利益』をいったん腹に収める、ということかな。」
「ふーん・・・。
そう言うんですか。」
「『利食い』を英語で言うと『プロフィット・テイク』になります。」
青山君が言った。
「『損を確定させる取引』は、『損切り』って言います。
『損切り』を英語で言うと、『ロス・カット(Loss Cut)』。」
「アオも英語がよく出るようになってきたねぇ。
ここに来たばっかりのときは、英語が苦手だって、言ってたじゃないか。」
「いやっ、『取引用語』ですから・・・。
一生懸命、覚えるようにしているんですよぉ。
そうでないと仕事にならないですからぁ・・・。」
「だったら、ちゃんと覚えないと、なぁ。
英語で言うならば、『プロフィット・テイク』じゃなくて、『プロフィット・テイキング(“Profit
Taking”)』だな。
これで『名詞』になる。
『テイク』を最初に持ってきて、『テイク・プロフィット(“Take Profit”)』でもいいけどな。
これだと『テイク(“Take”)』は『動詞』だけどな。」
平井さんがからかった。
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