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外国為替の基本と
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 ファースト・ディール
 The First Deal  No.13


 東京銀行が241円ゴマルを買い上げてから、ドルは底堅い動きになった。ゴマルは何回かギブンするのだが、ゴマルにはいつの間にか『買い』が入ってくる。



 その動きを見てか、ドルはロクマル、ナナマルと上昇した。

 俺は、もっと上がれ、もっと上がれと、口には出さないけれど、心の中で応援していた。
ロイター・モニター


 『ハチマル』が抜けると、もっと上に行くんじゃないかと期待していた。

 さっき、平井さんが言っていた『チャート・ポイント』という言葉を思い出していた。『ハチマル』は、このレートを突き破ると、跳ね上がっちゃうポイントだって言っていた。

 ナナマルが『買い』になって、青山君が叫ぶレートが「ナナマル‐ハチマル」になった。


 「ハチマル・テイクン!」

 「ハチマル・テイクン! なお売り!」


 俺は、ドキドキしながら、ハチマルを抜けて、ドルが跳ね上がることばかり考えていた。

ロイター・モニター

 平井さんが、『止まるとしたら、ニマルとかハチマルが壁になることが多い』と言ってくれたことは、すっかり忘れている。

 ハチマルは何回か出合ったのだが、ハチマルをピークにドルが下がりだした。

 ハチマルで売れば良かった・・・。
 そういった思いがよぎった。

 だけど、ハチマルで売るには、何て言えばいいんだろう?

 ハチマルが『買い』になっていてれば、『売った』と言えばいいのはわかる。
 しかし、今回、ハチマルは『買い』になっていない。

 青山君の言っていたレートは、一番高いときでナナゴーの『買い』だった。

 「ロクゴー・ギブン! ロクゴー・売り!」

 あれっ・・・。

 もう、ロクゴーまで落ちてる。

 「梅田さん!
 落ちてきましたよ!
 ドルは落ちるときの方が速いんです!
 利食った方がいいかも知れませんよ!」

 「そうか!」

 「ロクマル・ギブン!」

 本当だ! 落ちるときの方が速い。

 俺はあわてて、青山君の右の受話器を持って、一番左上の『TFS』のボタンを押した。


トウフォレ・スポット・ライン
ニッタン・スポット・ライン
ウエダ・スポット・ライン
ヤマネ・スポット・ライン
ハトリ・スポット・ライン
コバヤシ・スポット・ライン
マーシャル・スポット・ライン
ディーリング・ボード




 「もし! ゴーゴー・ロクゴー!」

 「イッポン売った!」

 「イッポン・ダン! 241円ゴーゴーです!」



 青山君に伝えた。

 「ゴーゴー、1本売ったよ。」

ロイター・モニター

 「はい。『利食い』ですね。良かったですねぇ。
 20ポイントですから、20万円の利益ですよ。」

 「えっ、そんなに儲かったの?」

 「はい。
 だって、1本1ポイントで、1万円ですから・・・。」

 20万円だと、俺の一ヶ月の手取り額くらいになる。
 たったこれだけで20万円か・・・・・。


ライン

 [(241.55−241.35)× 1,000,000 = +200,000 ]

ライン


 「ロクゴー・テイクン!」

 俺がゴーゴーを売ったときは、すぐにもゴマルを切れて落ちて行きそうに思えたのだが、ゴマルを売る銀行は無かった。

 ロクゴー・ナナゴーで『後場(ゴバ)』の取引が終わった。

 始めてやった取引で、20万円の利益だから満足だった。
 きっと、平井さんも褒めてくれるだろう。


ライン

ライン


 「梅田君、今日はどうだった?」

 「はい! 20万円の利益です!」

 「あっそぅ。」

 「・・・・・・。」




 あれっ・・・。
 褒めて貰えないんだ・・・。
 これじゃ、利益が少ないのかな・・・。



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第7話 ファースト・ディール
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