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 ファースト・ディール
 The First Deal  No.24

 「そうなんですか?」

 「そうなんですよぉー。
 みんなの言う通りにやって、それで上手くいくんだったら、それに越したことはないんですけどねぇ・・・。
 だったら、みんな勝っちゃうでしょ?
 負ける奴はいないことになっちゃう。
 ところが・・・、
 『そうは問屋は卸さない〜♪』。」


 俺は内村さんの話を聞きながら、ふんふんと思いながら、心の中で、
 『いよっ、ベベンベン!』と、
 『合の手』を入れていた。


 「『後場』ですけどね・・・。
 『前場』の引けがヨンマル・ゴーマルでしたから、そのままヨンマル・ゴマルで始まるでしょうね。
 『前場』はゴマルより上を買って行かなかったですけど、『後場』になれば、その上を買っていくことになるでしょうねぇ。
 まだ、『ショート』が残ってると思いますよぉ。」

 「『ショート』が残ってる?」

 「はい。
 『ショート・ポジションを持っているディーラーが残っている』という意味です。
 まだ、ドルの『売り持ち』のままで、ドルが下がったら買おうと思って待っているディーラーが、たくさんいそうだ、ってことです。」

 「なるほど・・・。」

 「こういう時って、下がらないんですよ、ドルは。
 だから、誰かか『買い』で仕掛けるんじゃないですか?」

 「このまま、ドルが上がって行っちゃうということですよね?」

 「はい・・・。
 でも、まあ、当たるとは限らないですからね。『眉毛に唾つけて』聞いてくださいよぉ。」

 「はい。」

 「『前場』で、一回、チョード(242.00)まで売り込んでいるじゃないですか。
 242円台ですからねぇ。
 この水準だと、『値ごろ感』から売りたくなるんですよ。
 『ドルが落ちる時は速い』のを、ディーラーだったら誰でも知ってますからね。
 絶対『売り持ち』で捕まってる人がいますね・・・、今日は。」

 「でも、みんな『ドル・ブル』だって、朝から言ってたみたいですよ?」

 「いやいや、いろんな考えの人がいますから・・・。
 100パーセント、みんなが『ドル・ブル』になったり、100パーセント『ドル・ベア』になったりは、しないんですよ。
 どんな時にも、反対の考え方をする人がいるんです。
 相場って、そういうもんなんですよ。
 『売る人』がいないと、『買えない』じゃないですか?」

 「うーん・・・。
 そう言われると、そうですねぇ・・・。」

 「かといって、昨日より1円以上ドル高になっていますから、『買い』で仕掛けるのも勇気がいるんですよ。
 じゃあ、どこまで上がるのかって、誰だって考えますからねぇ。
 『後場』になったら、目をつぶって、ドルを買ってみて、売り逃げちゃうのが賢いんじゃないですかねぇ・・・。
 それくらいしか、思いつかないですねぇ、今のところ・・・。」

 「そうですか。わかりました。ありがとうございます。
 じゃあ、『後場』もよろしくお願いしますね。」

 「いやいや、ウメちゃん、こちらこそお願いしますよぉー。
 頑張りますからねー。」

 内村さんと話しているうちに、『後場』が始まる時間に近づいてしまった。
 今日は、外国為替の本を読んでいる時間はなさそうだ。


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第7話 ファースト・ディール
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