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 ファースト・ディール
 The First Deal  No.26

 「ハチマル・テイクン
 ナナゴー・ハチゴー!」

 「ハチゴー・テイクーン
 ハチゴー・買い!」

 「キューマル・テイクーン!」

 「キューマル・チョード!」

 「チョード・テイクン
 なお売り!」
ロイター・モニター


 青山君の声がディーリング・ルームに響き渡る。

 俺がロクゴーを売ってから、スルスルとドルが買われた。

 あっという間にナナマルが買いになり、ハチマルがテイクンすると243円チョード(243.00)が付いた。

 こういうものなのかなぁ・・・。

 昨日とビッグ・フィギュア(レートの大台)は1円違うのだけれど、昨日は、ハチマル(241.80)で折り返した。それで、俺はあわててゴーゴー(241.55)で売ってしまった。

 昨日の俺は、ドキドキしながら、ハチマルを抜けて、ドルが跳ね上がることばかりを考えていた。

 平井さんが、『止まるとしたら、ニマルとかハチマルが壁になることが多い』と言ってくれたことを、すっかり忘れていたのだ。

 ハチマルをピークにドルが下がりだしてから、『ハチマルで売れば良かった・・・』、と、そう思った。

 だから、今日は、そうならないように、ゴーゴー(242.55)を買って、ロクゴー(242.65)ですぐに売り逃げたのだけれど、今度はハチマルを上に抜けて、加速してドルが上昇している。

 平井さんの言っていた通りだな・・・。
 ハチマルを上に抜けると速いや・・・。

 だけど、ハチマルで止まるのか、抜けて加速するのか、どうすればわかるんだろう?

 事前に判断が付くのかなぁ?
 事前には判断が付かないんじゃないかなぁ・・・?

 事前に判断が付かないんじゃ、単なる『ギャンブル』じゃないか・・・・?
 『サイコロ転がしてる、丁半博打と同じこと』なんじゃないのぉ・・・・?


 「平井さん。
 『ハチマルを抜けて上に行くのか』、『ハチマルで止まるのか』って、どうすれば事前にわかるんですか?」

 「ああ、それはわからんなぁ。
 そういったことがわかれば、いつでも勝てるんだけどなぁ。」

 「じゃあ、『ハチマルで止まるか、抜けるか』は、どうやって判断するんですか?」

 「ああ、『勘』だよ。」

 「・・・・・。」

 「『第六感』ってことだな。」

 「・・・・・。
 それって、『ギャンブル』ってことじゃないですか・・・・・?」

 「ああ、そうだよ!
 よくわかったなぁ!
 『相場』は、要は、『ギャンブル』なんだよ。
 梅田君は、まだ、『ポジション』取って二日目だよなぁ。
 それで、そのことに気が付くのって、大したもんだよ。」

 「ボクは、『ギャンブル』をしようと思って、銀行員になったわけじゃないんですけど・・・・。」

 「そうか。
 じゃあ、『ギャンブル』じゃなくて、『仕事』だと思ってやれよ。
 普通の人は、こんなところで、『ギャンブル』をやってるなんて思ってないから。」

 「はぁ・・・・?」


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第7話 ファースト・ディール
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